「金剛戦士Ⅱ」西方浄土
「もし、そういう事態が生じれば、彗星は彗星ではなくて無機物生命体である可能性も出てくるでしょう。しかし、我々としては仮定の話を論ずる事はできかねます。あくまでも現実の結果により判断をして、状況を分析してゆきたいと考えます」

「以前に無機物生命体が地球に襲来した時には、それまでの軌道が複雑に変化しております。当初、我々が無機物生命体を発見したのは、火星に近づきつつある地点であり、火星を通過後は、地球方向へ進路を変更して向かってまいりました。その時すでに無機物生命体の軌道は地球に、かなり近くまで接近すると判明しておりましたが、地球に向かって近づいて来るにつれて、次第に軌道が地球に重なるようになってきました」

「しかし火星に接近する以前に、冥王星などに向かっていた調査船三隻とタイタン調査船、エウロパ・ステーションや、そのステーションに向かっていた宇宙船も無機物生命体により葬り去られたと考えられ、それらの航行していた位置などから無機物生命体は、複雑に進路を変更しながら進んで来たものと考えられます」

「今回発見された彗星は、そういう複雑な進路をとる兆候は現在のところは、みられません。もしも今後、軌道が変化するような事態が発生すれば、即時、お伝え致します」
と述べた。

李は不安であった。

ジェラルディーン大統領が、核ミサイルを彗星に向けて発射してみたらどうかと言った言葉が脳裏に浮かぶ。

自分自身としては、早く不安を取り除きたいという気持ちが強くあり、可能であるならば核ミサイルを発射して結論を出したい気持ちである。

しかし今はまだ、そんな話ができる状況には至っていない。
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