アクアマリンの秘密
【紫紀side】


一番強い魔力を感じるのは、この泉だ。
なのに、魔力の源である彼女は全く姿を現さない。


「華央であるわけがないだろう…。」



自分の心が揺らいだということを認めたくはないが、実際は揺らいだ。
それほどまでに…酷似していた。

華央の顔を見間違えるはずのない自分が、揺らぐほどに…似ている。
『フェイ』と『華央』は…。




この泉を見ていると思い出す。
思い出したくないことも、思い出したいことも、全て。

華央を取り巻く全ての記憶が、苦しいほどに蘇る。

思い出せば出すほど、動けなくなるのは分かっているのに。








不意に背後に強い魔力を感じる。


「誰だ?」


振り返った先には…。




「鋭いな。」


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