アクアマリンの秘密
「本当に欲しいものはいつだって手に入らない。」



だから嫌いなの。
目の前にいる、朝霧紫紀という男が。

友達もいて、恋人もいるという噂もある。
私が欲しいものをやすやすと手に入れて、その上魔力も強い。
でも…一番強いというわけじゃない。
そんなの…不平等よ。



どうして私ばっかり…願いが叶わないの?




…違うわ。
そうじゃない。
本当は知ってるの。


本当は紫紀のことが…嫌いなんじゃない。



紫紀のせいにしている自分が嫌いなの。



欲しいものが手に入らないのは自分のせいよ。
欲しがってばかりで何もしないのは私。
与えられたものをただ受け取って、それに甘えてきた私が悪いの。
分かってる。ちゃんと分かってる。



「お前の欲しいものはなんだ?」

「え?」




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