アクアマリンの秘密
「…逃げようなどと思うだけ無駄だぞ。
この城は…もはやイアル様に全て占拠されている。
逃げ場などない。」

「…あなたも…『ハート』の持ち主なの?」

「何を言っているんだ。
『ハート』の使い手など、この世にお前しかいない。」

「だって…あたしの心を読んだから…。」

「くだらない。
お前の考えなど表情で分かる。」

「…そう。
…じゃあ一つ質問してもいい?」

「…なんだ。」

「どうしてあたしを…どこかに閉じ込めておいたりしないの?
逃げても無駄だって言うけど…逃げたら捕まえなくちゃならないじゃない。そんなの面倒でしょ?最初からあたしを牢屋かどっかに入れておけば…。」

「お前を閉じ込めないのは、閉じ込めることが出来ないからだ。」

「え…?」





もっと追究したかったのに、剣が交り合う音が聞こえて咄嗟にあたしは水晶を見つめた。

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