恋色の紙ヒコーキ
「だっていきなり避けられたしね。
一体自分が何をしたんだろうって考えてたら眠れなかったよ。」

「だって…あの時は…。」


深樹が陽を好きだってことがクラスの女子中に発覚して、みんなで陽と深樹をくっつけよう計画ができて、あたしはその邪魔をしないようにって釘を刺されて…


「あたしだって混乱してたんだもん!!」

「え?何を混乱してたの?」

「ねぇ梨絵!!」

「そうだね…
まぁ…はるがあからさますぎたのもあるけど動けない状況にされちゃったよね。」

「だよね!!良かったぁ…梨絵は分かってくれてると思ってた…」

「動けない状況って?」

「あー…えっとそれは…まぁ…ね。女子の都合ってことで…。」

「女子の都合…。」

陽は納得があんまりいっていない顔をしている。


「でも、結局修学旅行の最終日には仲直りできたわけだし…ね?」

「つーかお前らどうやって仲直りしたんだよ?
陽が告白したわけじゃねぇんだろ?」

「そりゃそうだよ。
俺が告白したのはクリスマスイブだし…。」

「じゃあどうやって…?」

「俺が聞いたんだよ。
『避けられてるような気がするんだけど、何かしたかな』ってね。」

「ちょっと陽!!そんなこと言わなくたって…。」

「もう時効でしょ?」

「時効じゃないっ!!」


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