恋色の紙ヒコーキ
「いっつもあたしばっかりなんかドキドキさせられて悔しいから…お返しっ!!」

「はぁ?つーかお前ばっかじゃねぇし。」

「へ?」

「でもどうせならもっとドキドキさせて欲しいんだけど?」

「は…?」

「んじゃ帰ったら俺んちでなんかしてもらおっかな~♪」

「へっ!?帰るって家に帰るんじゃないの…?」

「だから、俺んち行こうって話。
普通に俺の家族寝てるし。迷惑とかじゃねぇから。」

「いやっ…でも…。」


だってこんな遅い時間だし…


「つーか今日、お前のこと離したくねぇの、俺が!!いーから来い!!」

「えっ…ちょ…っ…!!」



強引に引かれる手。
その手の熱さにあたしはまたドキっとする。


「久哉…。」

「んー?」

「あの…ね…。」

「……分かってるよ。何もしねぇから。
つーか襲ったりしねぇからんな怖がんな。」

「…っ…。」


そう言って頭を優しくポンポンっと撫でる久哉。
やっぱり…というか絶対あたしの方がドキドキさせられてる。
あたしはこの胸のドキドキを伝えたくて、久哉の腕にぎゅっと抱きついた。


*梨絵side END*


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