『その声でささやいて』キケンな教師と危ないカンケイ
暖かくなった車内と僅かに揺れる車体はいつの間にか揺り篭となり、お腹も満たされ心もほぼ満たされていた私は熟睡していたらしい。
「目覚めたか?」
「いひゃいんらって」
隣で愉(たの)しそうにしている先生の手は、私の右頬から離してくれず……痛みを増し続けていく。
その所為で、上手く発音する事も出来ない。
「何言ってんのか全然分かんねぇ」
「い、ひゃ、い」
何度言っても間抜けな発音にしかならなず、若干の虚しさと若干の切なさを感じてきた頃……
右頬の痛みが和らぎ…
そこは優しい温もりに包まれていた。