君しかいらない
知也が電話を切ろうとした瞬間
真琴の言葉が脳裏に蘇った。
−姉さん幸せになって−
その言葉が私の背中を後押ししたんだ。
「話したい事があるの…」
声は今すぐにでも泣き出してしまいそうなほどに震えていた。
『何?』
少し戸惑いがちな声が耳元をくすぐる。
「会って…話しがしたい。」
その言葉を言ったすぐ後は緊張のあまり喉を鳴らして息を飲んだ。
『分かった。今…行く。』
あまりにも優しい彼の声には一瞬の迷いも見せずに
ただ
包み込まれてしまいそうなほど心地好い温度となって
私の震える心を優しく抱き寄せたように思えた。