女社長は12歳
「あっ、弟のと一緒だこれ」

すると彩が、棚の上に置かれているシューズを手に取り言った。

それは軽さを売り物にしているシューズで、運動会で差をつけろ!というキャッチがついている。

彩の弟は三年生、ちょうどその年頃の男の子向けに売られている商品だ。

シューズの横には、パッケージに左右非対称、と書かれているソックスが置いてあった。

手書きPOPで

 ”このシューズにこのソックスで、左回りのコーナーでライバルに差をつけよう!”

と書かれている。

きららはふと、シューズコーナーが気になった。

「彩、ちょっと向こう見てくるわ」

きららは、彩にそう言い残すと、シューズコーナーへと走った。
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