キミ専用テレパシー



「すいませんっ…!」


「いえいえ、構いませんよ。」


案の定、待ち合わせに遅刻してしまった。

ちょっとだけ走ったんだけどな…。



「おはようございます。」


「あ、おはようございます。」


「約束忘れてるのかと思いました。意外と君ってうっかりさんだから。」


「ちょっと色々あって…。すいません。」


「いや、平気。待つの得意だから。」


オシャレに気を遣って遅刻した、なんて言えないよなぁ。

神田くんは怒ることもなく、機嫌が悪くなるわけでもなく、ゆっくりと歩き出した。



< 146 / 169 >

この作品をシェア

pagetop