キミ専用テレパシー
「すいませんっ…!」
「いえいえ、構いませんよ。」
案の定、待ち合わせに遅刻してしまった。
ちょっとだけ走ったんだけどな…。
「おはようございます。」
「あ、おはようございます。」
「約束忘れてるのかと思いました。意外と君ってうっかりさんだから。」
「ちょっと色々あって…。すいません。」
「いや、平気。待つの得意だから。」
オシャレに気を遣って遅刻した、なんて言えないよなぁ。
神田くんは怒ることもなく、機嫌が悪くなるわけでもなく、ゆっくりと歩き出した。