キミ専用テレパシー
水族館は、休日とあってたくさんの人で溢れていた。私は、ウキウキしながら神田くんについて行く。
「はぐれるから、離れないで下さいね。」
「はーい。了解です。」
「ん、了解されました。」
神田くんも何だか楽しそう。いつもより表情が柔らかいなぁ。
「クラゲだ…。」
「クラゲ?」
吸い寄せられるようにクラゲの水槽に行ってしまった彼を追いかけると、とっても興味津々な様子。
「君はクラゲ好き?」
「え?うーん、普通ですかね。神田くんは好きなんですか?」
「うん。好き。小さい頃にね、海でクラゲを見つけたんです。僕、捕まえに行こうとして。しかも素手で。」
「え、素手で?!」
「うん。で、母親にすごく怒られた。」
「いくつの時ですか?」
「うーん、年長の時だったかな。」
「刺されなくてよかったです。」
「ですね。危なっかしい子でしたから。」