キミ専用テレパシー
イルカショーの会場に移動すると席が少なくなっていて、私たちも空いているところに腰掛けた。
「あ、佐藤さん。これいりますか?」
「え?」
神田くんが差し出したのは、さっき買ったクラゲのストラップだった。
「いいんですか?」
「はい。僕がピンク色のストラップつけてたら、変だし。」
「ふふ。ありがとうございます!携帯につけますね〜。」
「じゃあ、僕もつける。」
水色のクラゲとピンクのクラゲが、2人の携帯にぶら下がってゆらゆら揺れているのだった。