キミ専用テレパシー



それからまたクラゲを見に行ったり、美味しそうな魚を探したりしてから水族館を出た。



2人でのろのろ歩いていると、渡し忘れている物があることを思い出した。



「あ、神田くん。これよかったら…。」


「あ、クッキー。僕にくれるんですか?」


「はい。あ、あの…、不味かったらごめんなさい。」


「ううん。君が作るものなら心配ない。ありがとう。すごいね、イルカも魚もいる。」


「あのね、こっちにマンボウがいるんです。こっちはペンギンです。」


「わぁ、ほんとだ。」



神田くんといると、時間を忘れてしまう。

私のなかで、どんどん神田くんの存在が大きくなっていることに、気付き始めていた。



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