キミ専用テレパシー



「佐藤さんだ!」



かなりの速さで駆け寄ってきた男の子の後ろで、ペコリと頭を下げる神田くん。



「あの!小松です。小松章大っていいます。」


「は、はじめまして。佐藤ひなです。」


「会いたかったです!嬉しいな~。」


小松くんは元気いっぱいで、いかにも憎めないような男の子。可愛らしい見た目で少し華奢。


目の前で、ニコニコしながら嬉しそうに話す小松くんに驚いていると、遅れて神田くんがやって来た。


「近い。佐藤さん困ってるから落ち着いて。とりあえず。」


「え~。やっと会えたのにー。」


「えっと、お弁当持ってきました。」


「わざわざすいません。」



お弁当を渡すと、無表情でお礼を言われた。



(やっぱり無表情だ…)

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