地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
――杏樹Side――

学園で多少暴れた火曜日から2日後……。

木曜日……放課後。


と言っても、ほとんど夜に近い時間帯。


ある人を、誰もいない生徒会室へ呼び出した。

先に来て、窓辺に行き外を眺める。


あたしが来てから、10分くらい経った時――……。


「杏樹」

学園内で唯一名前を呼んでくれる会長が、現れた。


「はい」

ゆっくりと、外を見ていた目を、会長の方へ向ける。



「話ってなんだ」


仏頂面の中に、ほんの少しだけ、優しさが含まれている表情。

呼び出した理由を尋ねられた。



胸が痛くなる。

今から言うことは、会長を絶対に傷つける。


あんなに……ボロボロだったあたしを大切にしてくれたのに。
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