君のホームランで、連れてって!!
「どうした?」
「菜緒・・ちゃん?」
2人が目を合わせて菜緒の方を見た。
「なんで、なんで・・・私には秘密なのっ!?」
菜緒は顔を真っ赤にしながら言った。
「え・・・?」
「だって、さっき・・・」
『実は・・・不二の兄貴がこのゲーセンと契約してるんだって』
悠が口にした言葉。
!?
菜緒には初耳だったんだ。
「そんなこと知らなかったもん!」
菜緒はほっぺを膨らませた。
「だからこれは、当日のサプライズだって・・・」
悠が慌てて言い直そうとした。
不二は、言い争うカップルをヤレヤレと見守りながら笑った。
「何だよ。不二」
悠がギロリと睨んだ。
「いや?」
不二はもう一度笑って見せた。
「何が可笑しいのよぉ!?」
菜緒も不二の方を見た。
「なんでもない」
不二はそう言った。