恋愛一色
さなは顔を真っ赤にして俺を見た。


俺はそんなさなに微笑み、さなの手を握った。




『俺と付き合った方が絶対楽しいよ?』



『…響?』




早く落ちろ。
早く落ちろ。


俺はこんなことばかりしか思わない。



でも俺は人の幸せを奪うほど、悪い人間ではない。



俺と付き合おうが、彼氏と別れようが、それはさなが決めることだ。



彼女の判断に任せるよ。

でも8割はこっちのもんだ。




『考える…私も響と付き合った方が楽しいと思うんだぁ…』



あとどれくらいかな?


この言葉を言ったら、さなは落ちるかな?




『俺、さなに今日出会ってすげぇ良かった。また会いたい…ずっと会いたい…』



さなは目を丸くして驚いていた。


そして俺は最後に、八重歯をちらっと見せて、笑ってあげた。
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