恋愛一色
もう遅いよ?


後悔しても無駄だよ。


君は俺に捕まったのだから。



『嬉しいっ…』



さなは表情を緩ませ、照れた顔を見せた。



俺の中にいるもう一人の俺は、きっと今頃鼻で笑っているのだろう。



俺はさなの頭を撫でてあげた。



飲みかけのオレンジジュースが、氷が溶けて薄い色になってゆく。



辺りはもう薄暗くて、そろそろ家に帰らなくてはいけない時間だ。



『さな、俺そろそろ帰らなきゃ…また連絡してよ』



俺は紙ナフキンに連絡先を書き、さなに渡して伝票を持って出口に向かう。




『響…またね』




『またね、バイバイ』



俺は数回手を振り、会計をしファミレスから出て行った。




『はっ…ありえねぇって』


俺は夜空を見上げて、さっきのことを思い出していた。



また増えた。

また増えた…俺の罪。
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