恋愛一色
女を落とす度に俺の罪は増えていく。



俺の中はもう罪の塊。


それでもいい。
それでもいい…



俺はこの偽りの姿で人生を歩んでいく。



でもいつかこの鎧を脱ぐ時がやってくる。


それは、愛した人が出来たとき。


愛する人が見付かったときなんだ──…




─…翌日。


俺は眠たい目を擦りながらカーテンを開ける。



眩しいくらいの太陽の光がたちまち部屋を埋め尽す。


今日も一日が始まった。


なんの希望のない、平凡な一日。



俺は支度をするため一階に下りていき、まずは両親に挨拶をしにいく。




『父さん、母さん、おはよ』



リビングには朝食を作る母親と、テレビを見ている父親がいた。




『おはよう、響』



父さんは、有名会社の部長をしている。


だから俺はかなり裕福な生活をしていられる。



優しい父親。

大好きな父親だ。
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