君の瞳が愛をささやく
「姉さん、気分はどう?」


臣は毎日のように見舞いに来てくれる。


「今日はなんだか調子が良いの。」


私が言うと臣は嬉しそうに微笑んだ。


「澪が売店で本買ってくれてるよ。
手元にないと寂しいでしょ?」


「ありがとう。
澪ちゃんには何かお礼しなきゃね…」


「何言ってるの。
…あっ、でも…じゃあ。」


臣が悩むように笑った。


「何?」


「来年、姉さんに来てほしい所があるんだ♪」


「来年?」


また随分先の話しね…


それまで生きていられるかしら…


決して口には出さないけど、いつも心にある言葉。


私には明日さえ見えない。
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