近代化

あれ、待てよ
じゃあ僕と話をしたのは、死んだあとの龍野ってことか。
すごいな僕。


と感心してる場合じゃない。

僕は自殺の名所にまた行った


「何で君は自殺なんかしたの?」


静かに、聞いた。
やけに僕の声が響く。

辺りは世界に僕しかいないと思うほどの静けさ。


「君は死ぬほど苦しかったの?」

龍野自身が言っていたこと。


「君は、僕をまだ完全には理解してないじゃないか。
約束を破るのか?」


でも、人は他人を完全には理解なんて出来ない。
自分さえも完全には理解出来ないのだから。

龍野はそれを知っていた。
でもクラスでういている僕を打ち解け込ませようとして、あえて約束したのではないだろうか。


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