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牙が刺さる音に怯えながらも、懸命に鍵を挿し続けていた。
もはや自分たちの声など届いていないようだ…
「…はるなちゃん…!」
「……もういい!早くしろ!」
永澤の心配を尻目に岡本は南沢に要求してくる。
「……んじゃ…岡本さんを囲むように周りに立ってください…」
4人は岡本を『+』になるよう囲んだ。
○
○岡○
○
「…岡本さん、今立っている場所の足元のタイルに鍵挿せますか?」
岡本が体をクネクネさせながら懸命に挿そうとする。
「……挿せねぇよ!…体がはみ出ちまう…!」
「…そう!鍵は自分の立っている場所に挿すには無理があるんです…!」
「…どうゆうこと…?」
…ズンッ!!
第1の扉付近で牙が刺さった。
「……つまり鍵を挿すには最低でもタイル2枚分を要するということです…!」
永澤が続きを説明する。
「…それを見越して仕掛けてきてるんじゃないかってこと…!つまり私の立っている場所の鍵穴が正解なら、その周りの4ヶ所は少なくとも安全地帯になる…!」