ADULT CHILDREN
「学校に行きたくない」


母に言うまで
そう時間はかからなかった。


学校に行こうとしても、いざ玄関に立つと足が固まるのだ。


急にお腹が痛くなったり
発作を起こしたり、身体的症状が出たりもした。


それでも母は理由を聞いたりはしない。


「甘えるな」


「学校に行けるだけ有り難いと思え」


「嫌な事から逃げるな」



私の悩みに耳を傾ける所か
髪を引っ張り服を掴み、髪が抜け、転んで膝から血が出ようとも
私を無理矢理学校へ行かせるため外へと追い出す。


「もう帰ってくるな!」


行き場がなく玄関で立ちすくんでいる私に母は容赦なく罵声を浴びせる。


「クズ」
「我が儘」
「一体誰に似たんだ」
「何様のつもりだ」
「弱虫」


母には
私の話など聞く気など毛頭なかった。
< 36 / 719 >

この作品をシェア

pagetop