ADULT CHILDREN
担任の教師は、小学校の頃の先生とは違って冷たいものだった。

40代でバスケ部の顧問をする担任は、眉毛が太くやたらと体格が良い。

不良の生徒達が怖いのか、不良のような生徒達だけを下の名前で呼んでみたり
よく自ら話しかけたりしていた。

私のような日を浴びる事のない人間には目も暮れなかった。



そんな担任が家に来て母とリビングでその会話を盗み聞く。

母も担任も、互いの前ではまるで態度が違う。


「学校に行きたくないみたいなんですよ」


「イジメなどはなく、真面目で友達もいるようですがね。」


「理由がわからないんです」


「どうしたんでしょうね」



母も担任も
自分の非を決して出さない。


すべての悪行を私に被せる。


理由を聞かれても答えられない私が悪い。


私が悪い子だから。






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