ADULT CHILDREN
その動揺ぶりにただ事ではないと母の顔色から事を探ろうとしても検討がつかない。

その後数時間、
母はあまりにも不自然なピリピリとした態度を私達に見せつけるようテーブルを強く叩いてみたり
ため息を声に出したりした。


母はいつも大袈裟だった。


すべてにおいて。


だけど、この時の慌てようはこれまでとは違った。

尋常ではなかった。


いつもより早く夕食を食べさせられた私と弟2人は
父が帰ってくるなり自分達の部屋へ行けと母に促された。


気になって
どうしようもなかった私は
音を起てないようにリビングの少しだけ開いたドアの隙間から二人の姿を見つめた。



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