ADULT CHILDREN
携帯を閉じて車を見ていた。


二人の姿は見えない。


今頃なんて言ってるんだろう―――――――


私は二人がそこを出るのを見送り淳の家へとタクシーで戻った。




「ただいま」


さっきまで浮気をしていたとは思えないいつも通りの顔。


「おかえり」


だから、私も普通の顔をして向かえる。



「疲れた」


ソファーに座る私の横に淳が座って私にキスをしようとした。


けど、私は首を曲げそれを避ける。



「手、洗ったの?」

「あっ忘れてた」


淳はさっさと洗面所に向かい手を洗って戻ってくる。



「今日も遅かったね」



どこまで嘘をつくつもりなのか、試そうと思った。



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