ADULT CHILDREN
1度目は出なかった。

でも、諦めない。

私は何度も何度も電話を鳴らした。

そして7,8回鳴らしてやっと通じる。



「もしもし?さえこだけど」



『あっ…うん、え?どうしたの?』



「ごめんね何回も鳴らしてちょっと聞きたいことあってさ」



『どうしたの?』


慌てていると上擦った声でわかる。


「今日バイト入ってたよね?淳何時頃来たかわかる?」


『あー…えーっと、6時くらいだったかな』



「そっか。今ね、淳の家にいるんだけどまだ帰ってこないんだよね。淳がどうしても家で待ってて欲しいって言うから待ってるんだけどさ」



『あ、なんか主任達とどっか行くって言ってたよ。…森山さんが…』




「あっそうなんだ。わかった。ごめんね遅くに起こして」



『うん大丈夫』


「じゃぁまたね」



志田ちゃんは何も言わずに電話を切った。




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