ADULT CHILDREN
そう聞いてやはり別れるべきだとわかった。


「馬鹿にしないで!」


乱暴にバックを手に取り鍵を投げつけた。


「ごめんさえこ…」



「もういいよ。もういい!」


「俺さえこだけなんだよ」



「私だけなら他の女と内緒で会ったりやったりなんかしないでしょ!?」


「ごめん!もうしないから!」


「信じられると思う!?私そんなに強くない!他の女とやったの見てまたやれる程女できてないから!」


出て行こうと玄関に向かう私の前に淳が立ちはだかる。



「ほんとごめん!ごめん!!」



「もう淳のこと好きじゃない!」



本当はまだ好きなのに。
本当は別れたくなんかないのに。



「俺は好きだよ」


「志田ちゃんにもそう言ったんでしょ!?」


「言ってない!!」


「もういいよ」



私は淳を押し避けて家を飛び出した。

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