ADULT CHILDREN
淳は追いかけてきていたけど、私がタクシーに乗り込んで諦めたようだった。

電話も何度もかかってきた。


悪かったと一日に何十件とメールもきた。


でも許せなかった。


家に着いてすぐ、志田ちゃんに電話をかけた。



「私。さえこだけど」


『どうしたの?』



「私が知らないとでも思ってるの」


『え?』



「自分で何してるかわかってるよね」



そう言うと志田ちゃんは一方的に電話を切った。



何度かけなおしても出なくて挙句の果てには電源を切っていた。


どうせ仕事場で会うからと思ってそれ以降はかけなかった。



だけど次の日、志田ちゃんはバイトに来なかった。


次の日も、その次の日も。


淳はバイト先で何度も話しかけてきた。


けれど、私はふざけてでも相手にする事はなかった。

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