ADULT CHILDREN

その話を聞いた時は驚きよりも怒りよりも、呆れて言葉が出なかった。


先輩も誰もそんな事は信じていないから大丈夫だと言ってくれた。


そんな出鱈目を信じる人はいないだろうと思っていた私は特に弁解もせず、噂だから気にしないでおこうと思った。


勿論、その噂を広めたおばさんを攻める気もなければ、今更志田ちゃんや淳と連絡を取ってあーだこーだと争う気もなかった。


たかが噂ごときでバイトをやめるつもりもなかった。


だけど


仕事を終えタイムカードを切り更衣室に向かっている時の事だった。


私より少し前にあがったパートさん達が更衣室の前で話している声が聞こえてきた。


その中には私がとても慕っている、そして慕ってくれていると思っていたパートさん3人もいた。
< 437 / 719 >

この作品をシェア

pagetop