ADULT CHILDREN
「お母さん?今どこ!?」




『何?今買い物してた』




「どうしよう…お父さんが…お父さんが死んじゃう!!」



『はあ?何言ってんのあんた』




「遺書と携帯がポストに入ってた…」



『…すぐ行くから待ってなさい』





母は私のただならぬ様子に気づいたのか電話を切って10分もしないうちにチャイムを鳴らした。



私は自分宛の遺書を見ようか見ないでおこうか握り締めて母を待っていた。




家に来た母は「どういう事なの!?」と動揺を隠し切れていなかった。



私は何も言わずに父が書いた遺書を差し出した。

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