ADULT CHILDREN
「まだ時間大丈夫?」


彼に言われて甘い夢から覚めハッとした。


「今何時!?」


「2時半ちょっと前」


「やばい、帰らないと…」



慌ただしく立ち上がると彼も松葉杖を使って立ち上がった。



「大丈夫?」


「わかんないけど、多分大丈夫!」


マンションの下で小声で彼に返事をした。


「それじゃぁ」


落ち着きのない私は手を軽く振り、彼に背を向け階段を駆け登る。


「また明日ね」


彼の声にまた振り返り、階段の上から手を振った。


恐る恐る家に入り、誰も起きた気配がない事に安心してベッドに入った。


< 71 / 719 >

この作品をシェア

pagetop