流れ橋

これは、予感というものだろうか。

何か、起こりそう。そんな気がした。

わたしは、学校の帰り道、朋子にさっき自分で考えた今日のスケジュールの話をした。

朋子も数学が苦手だった。やはり、今夜は徹夜覚悟とのこと。

「藍子、私も今日は帰って昼寝はしないよ。帰って、ひと頑張りしてから藍子の家に行くから。」朋子が、言った。

「そうだね。お互い、頑張ろう。でもさ、何か不安なんだよね、わたし。」

「藍子、勘がいいからね。そういわれると、ドキッとするよ。」朋子が頷きながら話す。
「それに、あの人。倉石さんだっけ。田中くんの元彼女、今夜、行くって言ってたよね。覚えてるでしょ。鉢合わせしたら、どうする？」ちょっと、不安そうな顔をしている。

「それ、ヤバイよ。なんか、誤解されたままだし。」わたしは、元彼女の気の強そうな顔を思い出した。

「見つかったら、修羅場だよ。」朋子は、そういって体を震わせる真似をした。