流れ橋
わたし達は、暑さで気が変になっていたらしい。

駅に着いてから、急にそのことに気がついた。

ただでさえ寝不足なのに。「体がダルイ。」体力のないわたしは、言った。

「藍子、この夏、本気でスポーツした方がいいよ。って、部活している私の方がヤバかったりしてね。」わたし達は、息を切らして電車に乗った。

下りの電車内は、人が少なかった。わたしは、すぐさま空いてる席に座って、おもむろに、買ってきたペットボトルのお茶を一気飲みした。

続いて隣の席に座った朋子もわたしと変わらない動作をしている。
何で、わたし達あんな無駄なことをしてしまったのか。わたしは、自分がやったことだが理解に苦しんでしまっていた。

こんな馬鹿なことをしてしまうのは、わたしらだけだろう。

ただでさえ、こんなに暑いのに。あの人たち、馬鹿じゃないの。という周囲の視線が、電車に乗ったときから、痛いくらい感じた。

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