流れ橋
ちょっと落ち着いてきたわたし達は、静かに電車に身を揺られていた。

気づけば、終点駅だ。わたし達は、電車を降りた。

改札口をでたところで、朋子と別れた。

「じゃ、後でね。」朋子は、言った。

「バイバイ。」わたしは、手を振ってその場を離れた。

駅には、大きな看板が立掛けてあり、海辺の花火大会へようこそと書かれていた。

しかし、今日は、平日だし、学生はまだ夏休みにも入っていない。
提灯なども、所々にぶら下がってはいるが、あまりやる気を感じられない飾りつけの様に見えた。

「相変わらずだな。」わたしは、言った。

こんなゆるい雰囲気。わたしは、心地よくて好きだった。

いよいよ、一年に一度だけの花火が見れる。
わたしは、颯爽と自転車にのって家に帰った。

帰る途中に、流れ橋を渡ろうとした。

今日は、とても穏やかな流れで、川には、雑草がたくさん生い茂っている。
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