流れ橋
わたしが、心の中で激しく葛藤している間に、先輩や田中くんは、立ち止まった出店の前でかき氷を注文している。

「藍子、何味がいい?ここは、男性諸君がおごってくれるらしいよ。」朋子がいった。

わたしは、ふっと我に返った。「えぇ?いいの?」

気がつけば、わたしの手には、イチゴ味のかき氷が手渡されて、また人ごみの中に紛れていった。

しばらく歩いてから、わたし達は、やっと出店がたくさんあった場所を離れることができた。
人混みから解放されて、だんだんと暗くて細い道を歩いて行った。
提灯のあかりだけが頼りなほど、普段は、暗い道だ。

もう少し歩けば、海が見えて来る。会場は、すぐそこだ。

「風があって、涼しいな。」先輩が、大きく背伸びしながらいった。

ジーンズの上に着ているシャツが風で、はためいている。

「そういえば、俊。サーフィンしているんだろ。今度、みんなに教えろよ。」先輩がいった。
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