@名もなき冒険者
わたし達は物陰に隠れた。


乱暴に戸があきオークが入って来た。


オーク『ぐぞォォォ~!
あのほげ!のーうなじ!たじ算もでぎないぐぜに、おでをゴキづがいやがっで!
おでだっで!おでだっで!あの儀式ざえ成功ずれば!』


それは下っぱの魔導士の様なオークだった。

オークの世界は力が全てであり、力なき者は虐げられるらしい。


リュート『(あの儀式?なんだ?)』

「…!」


わたし達は、そのオークをマークする事にした。

あのオークを追い掛けるにしても、このまま行くのは無理そうだ。

リュート『オークは目が悪いみたいだし、オークのかぶりもの着てればバレないんじゃないかな?』

かぶりもの…それはオーク魔導士の面と、マント代わりのボロ布だった。

「えぇぇ!オークってそこまでアバウトなの?」

リュート『今までの感じだと、余り形とか認識出来てないのは確かだよ
きっとうまくいくって♪』


そう言ってリュートは楽しそうに面をかぶった。


リュート『ほらっ!早く!』


わたしはかぶりものに強引に押し詰められた。

「近ッ!」

リュート『がまんがまん♪
離れない様にしっかりしがみついててよ』


狭い空間でリュートと密着する、ぬくもりが伝わり手が震えちょっとクラクラした。
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