世界で1番愛してる
「お母さん、大丈夫なの?」
「うん。もうすぐ退院できるって先生が言ってたよ。」
ママの車で送ってもらう車内でお母さんの事を話す。
ママはよくお母さんの話を聞いたりするけど、それは詮索とかじゃなくてただ純粋に心配してくれているだけ。
「シズの家で良いのよね?」
「………ママのとこじゃ駄目?」
「…仕方ないわね…、今日だけよ?涼太がいない時に泊まったなんて知ったら涼太が怒るから。」
それでも私を甘やかしてくれるママ。
よかった……。
理由はわからないけど、今日は一人は嫌だったから。
「ねぇ、ママ?」
「んー?」
「………涼太…病気なの?」
違和感は多分これ。
ほら、ママの顔が少しだけ強張ったもん。
「……涼太が言ったの?」
「違うよ。ただ……なんか違和感…って言うか不安があって…なんかおかしいなって。」
上手くは言えないけど、違和感とか不安とかが涼太に会ってから増えていた。
何かがおかしいって…私の中の警鐘が教えてくれた。
「…詳しい検査結果は明日、」
「ママ…教えて?」
ママは知ってる。
予感じゃなくて、確信。
絶対に知ってるって私の無駄に鋭い勘が言ってる。
「……ママ…?」
「…家に着いてからで良い?」
「うん。ありがとう、ママ。」
ただこの時は知りたかった。
例えば、それがすごく辛い事だったとしても。