世界で1番愛してる


「お母さん、大丈夫なの?」

「うん。もうすぐ退院できるって先生が言ってたよ。」


ママの車で送ってもらう車内でお母さんの事を話す。

ママはよくお母さんの話を聞いたりするけど、それは詮索とかじゃなくてただ純粋に心配してくれているだけ。



「シズの家で良いのよね?」

「………ママのとこじゃ駄目?」

「…仕方ないわね…、今日だけよ?涼太がいない時に泊まったなんて知ったら涼太が怒るから。」


それでも私を甘やかしてくれるママ。

よかった……。

理由はわからないけど、今日は一人は嫌だったから。



「ねぇ、ママ?」

「んー?」

「………涼太…病気なの?」


違和感は多分これ。

ほら、ママの顔が少しだけ強張ったもん。



「……涼太が言ったの?」

「違うよ。ただ……なんか違和感…って言うか不安があって…なんかおかしいなって。」


上手くは言えないけど、違和感とか不安とかが涼太に会ってから増えていた。

何かがおかしいって…私の中の警鐘が教えてくれた。



「…詳しい検査結果は明日、」

「ママ…教えて?」


ママは知ってる。

予感じゃなくて、確信。

絶対に知ってるって私の無駄に鋭い勘が言ってる。



「……ママ…?」

「…家に着いてからで良い?」

「うん。ありがとう、ママ。」


ただこの時は知りたかった。

例えば、それがすごく辛い事だったとしても。





< 17 / 61 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop