世界で1番愛してる


「私にとっての良い事は涼太がいる事なんだよ…?涼太がいて、私がいるの。

私は涼太から離れないから」


あぁ、私ストーカーみたい?

でもね…伝えたかったんだ。

少しでも、ほんの少しでも良いから私の気持ちをわかってほしかったの。



「……俺さ、シズが苦しんでんのわかってたよ。

それでもな…、お前の事離してなんてやれねーの。」


眉間に皺を寄せて無理矢理笑ってる涼太に私の口が閉じた。

初めて、涼太の本心を知れるような気さえするから。



「俺みたいな病人じゃなくてさ…もっと健康で将来ある奴のが良いんじゃねぇかって思った。
でもな…シズがいたから治療だって始めたんだ。
母さんも大事だけどさ…今までもこれからも俺の1番はシズで居てほしいんだ。


矛盾だらけだろ、俺。」


ママでも他の人でもなくて、私を1番だって言ってくれた涼太。

悲しい涙なんかじゃなくて、暖かくて…なんか色々と詰まった涙が流れていた。



「これからも悲しませるし苦しませるかもだけどさ…

シズが良いなら一緒にいたいんだ。」


当たり前じゃん。

私は涼太が大好きだもん。


離れろって言われたって離れてなんかやらないんだから。



「……良い?」

「…っ…当たり前っ…じゃん!」

「…そっか、うん。ありがとな。」


初めて涼太の気持ちに直面して、涼太は涼太なりに私の事考えてくれていたんだって思った。



< 39 / 61 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop