世界で1番愛してる
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「あれ?今日は学校お休みかい?シズちゃん。」
「河内先生、こんにちわ。
うん、今日はお休みなんですよ。だから涼太の面倒見に朝から来てるんだ。」
スライド式のドアが開き、顔を覗かせた河内先生に私は頭を下げてみせた。
私の言う面倒見に来た、が気になったのか…涼太はちょっと拗ねたように私を見ている。
「面倒見るって……面倒見るのは彼氏の仕事だろ?」
「え?彼女だって面倒見るじゃん。」
何が言いたいかよくわからないけど、とりあえず面倒見るとかが不満なわけではないみたい。
「……退院したら俺がシズの面倒見るんだからな。」
「あははっ、じゃあ…退院するまでは私が涼太の面倒見るよ。」
拗ねている原因はたぶん、涼太が私の面倒を見れていないと思っているからだと思う。
そんな事ないのにね。
涼太はうんと私を甘やかしてくれる。それだけで十分に面倒を見ているのに。
「相変わらず仲良いね。君達は。」
「当たり前だろ、センセー。俺シズ大好きだからなー。な、シズ?」
「…………また恥ずかしい事ペロッと言うんだから…。」
「はは…まぁ仲良い事は良い事だからね。
涼太くん、今日はね一つ提案があるんだよ。」
にっこりと笑う河内先生に、私も涼太も首を傾げた。
提案…?
それは治療の事なのか、それとも全く別のものなのか。