Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】
「そう……か」

「さすがに牙王を、私の家に招待する気は全く起こりませんでした。
 仕方がないので、エンキの輪と私の家の出入り口になったデパート前に放り出して来ましたが……
 牙王の事は、校長が何とかするでしょう」

「うん、そうだね。
……残月、すまない……僕の我がままに、お前の命を賭けさせて」

「いえ。
 私は出口の場所を変えて一言、輪に言葉を付け足しただけです」

 それでも。

 地下は、いつ爆発するのか。

 全てが燃えてしまうのか、判らなかったのに。

「ありがとう。残月」

 僕の心からの感謝に、残月は笑った。

 嬉しそうに。

 少し、照れくさそうに。

「私は、皇子のその表情(かお)が見たかっただけですから………
 ……その微笑みを……」

 残月に言われて、気がついた。




 え………あ………



 僕は。




 ……笑っている………?







 笑っているのか………






 
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