ごくふたり

《別れのプロポーズ》

古川のインターから結局高速に乗った。
やはり帰りの道中、しかも夜中というものは、寂しさと孤独が混同するものなのだろうか。
実家に帰って、特上のハッピーが待ち受けているわけでもないけど、俺は早めの秋田を目指した。

夜中の秋田道はかなりの確率で霧に覆われる。
この日も例外なく、俺のバモスを濃い霧が包んだ。

錦秋湖のサービスエリア。
俺は必ずここに立ち寄る。
夜は売店も閉まっていて、真っ暗なのだけど。
俺は必ずここで煙草に火をつける。
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