青蝶夢 *Ⅱ*
芳野はもう

戻って来ないよ。

私には分かる・・・

手の甲で、涙を拭った私は
母にあるお願いをする。

「ママ、何も聞かないで
 今から言う番号に
 電話してほしいの・・・」

それから、しばらく経って

病棟に、息を切らして
現れたのは

芳野ではなく、飛鳥だった。

「ヒイロ、大丈夫か?
 お前ってやつは・・・」

飛鳥は、ベッドに横たわる
私の元へと近づき
私のおでこに触れ、髪に触れる

「もう、心配させんなよ
 腹の子は、俺の子だろう?
 俺と、一緒になろう」

飛鳥の言葉に頷く、私。

驚いている母の顔が、見えた。
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