青蝶夢 *Ⅱ*
内緒話をすると見せかけて
芳野は秘色の右頬に手を
添えて、自分の方へ向かせて
唇にキスをした。

その一瞬の出来事に秘色は
瞳を開けたまま、彼の口づけを
受ける。

芳野の飴玉が、秘色の唇に移る

離れた唇・・・

『甘いけど、おいしい』

二人は、微笑み合う。

可愛い秘色

お前に逢いたい・・・

見渡す限り、秘色の物で

溢れる部屋・・・

一人ぼっちの静かな空間に

携帯の着信音が、また
鳴り響く・・・

「もしもし、イブキ?
 どうした?
 
 ああ、今から会おう」
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