黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅰ
………出て行こうにも、出ていけなくなってしまった。
「月夜ってさ、謎だよなぁ」
「あの航太が調べても、何も出てこないんだぜ?
信じらんねえ」
「何者なんだろうね?」
「でも、悪い奴じゃないのは確かじゃん?
つっくんは、とても優しいもん。
僕、つっくんのこと好きだもん!」
「ホモかよ!」
「そーいうんじゃなくって、友達として、だよ!」
あーらら。
私やっぱり疑われちゃってるけいッスよね。
謎、ね…。
私からしたら、紅蓮のほうが謎なんだけど。
なに考えてるかわかんないし。
「憐慈の考えも違ったわけだし」
「月夜くんの喧嘩の強さだったら、黒蝶に入っててもおかしくはないよね」
「でも、〝K〟は違うっつうし、…まぁ違くて良かったけどさっ!」
「月夜は仲間なんだから、もう疑うのはやめようぜ」
………仲間。
青龍のみんなは、私のことちゃんと疑いながらも、仲間として見てくれてるんだ。
私もみてるよ?仲間だって。
……でも私。
裏切ってる。
みんなのこと、裏切ってるんだ。
胸が痛い。