黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅰ







どちらも動くことなく、ただ互いを見据えながら時間が経ってゆく。


俺はだいたい自分から向かっていくことはないから、向こうが動くのを待つ。



これから喧嘩が始まるっていうのに、なんでそんな笑顔でいられる…?


相変わらず笑顔の理人くんが今、何を考えているのかわかんない。






「ねえ、青龍のみんなってさ。
……昔すっごい荒れまくって、サツにお世話になったことまであるんだよね」


「………っ!」





突然口を開いた。





「殺人未遂だっけ?
くだらない理由で人を殺しかけた。
まあ、運よくその人たちは死ななかったけど」


「な、っんで……っ!!」





なんで、理人くんがそんなことを知ってる…っ!?


それは俺たちの中じゃ、タブーの話で。

外部には誰にも話したことは一切ない。


なのに、なんで…っ!





「殺人未遂までしたのに、なんで正統派チームに入ってんの?
しかもトップ、だなんて」






グサッと胸にナイフが刺さった気がした。


確かに…、そうだ。

理人くんの言うとおり。


もう少しで、人1人殺しかけてしまった俺たちがなんで、正統派のチームのトップをやっているのか。



そう思うのは誰だって当たり前。





< 499 / 514 >

この作品をシェア

pagetop