バトルロワイヤル
「あ、あれは…」児玉の目が見開いた。
「行くぞ!!」児玉はみんなを指示して走った。
今日の児玉はどこかおかしい。
「…シッ…みんなしゃがめ…」児玉の指示と共にオレ達は窓の下のコンクリート部分に隠れた。
(…そー……)
児玉とオレと徳光はゆっくりと顔を出した。
「……!!」児玉の顔がマジになった。
透明に日の光が差すテラスの上では1人の男と2人の男が戦っていて、1人の男が倒れていた。
「…あの倒れてるやつ知ってる…」オレは児玉に言った。
倒れてる男は音楽室で襲ってきたやつだ。
「あぁ。今戦ってるやつは亮佑達がくる前に逃げてったやつだ。…かなり強いはずだぞ…」
今2人の男と戦ってる男は児玉と健太と御堂が戦っていたらしい。
「…あの2人は誰なん?」オレは児玉に聞いた。
「中塚勇希と林道師連だ…。」児玉の顔に一段と険しさが増した。
中塚は林道の後ろで見ているだけだった。
林道は長々しい鎖を垂れ下げていた。
「…林道…師連…」
オレも名前ぐらいは聞いたことがあった。
(……ドッ…)
その瞬間何か鈍い音がした。
林道の鎖が相手の腹を貫いていた。
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