バトルロワイヤル
「そこにおるん誰やねん!」健太が怒鳴った。
(ガサッ…ダダッ…)草影から人が飛び出し走っていった。
「待て!………あれは…」
「……御堂!!」上土は御堂を追い掛けた。
「御堂…ご、ごめん…。…お前の気持ちも知らずに…。……許してくれとは言わない。だから…」上土は涙をこらえて謝った。
「御堂、ごめん!!」後から追い掛けた残りの1年も泣いて謝った。
「……いいよ。オレこそやっぱりここにいていいかな…?」涙目で御堂は上土を見た。
上土はオレの方を見た。
オレはうなずいた。
その瞬間、上土の下唇にしわがより、涙があふれた。
「………もぅ一度オレ達と野球やってくれるか?」
「………うん!!」御堂も涙があふれた。
ここにいる野球部の目には涙があった。
「オレ…ここで野球が……やりたいです!!」御堂は青く染まった空に声を張った。
オレ達野球部は今でもあの空を忘れない………
野球がさらに好きになった………
仲間を前よりも大切に思うようになった…………
絆が深く結びついた…………
そんな一日になった。

< 29 / 358 >

この作品をシェア

pagetop