バトルロワイヤル

RANルーム

(…ガラガラ)オレ達はRANルームのドアをあけた。
「この時間……賢ね!!」女の声がした。
(ヤバい……向坂はもぅ死んでるのに…どうしよう…)
「すいません!!」真鍋が言った。
「向坂賢は昨日の夜に自ら命を絶ちました!僕達は向坂の代わりにきました!」真鍋の声はRANルームによく渡った。
「なん…ですっ…て…。」
(ダンダンダンダン…)足音をたててその女はやってきた。
「なんでウチの賢が死んじゃったのよぉ!?」この女が紙本真衣だ。
ただでさえ不細工な顔なのに泣き崩れたしわくちゃの顔を見るとオレ達は笑いそうになった。必死に自分で尻をつねって笑いをこらえた。
「で、でも向坂は死ぬ瞬間に大きな声でこの池野真弓さんに『アイラブユー』と叫んでいました!!」真鍋真弓に指をさして言った。
(そういえば……)オレ達は向坂が最後に言ったことを思い出した。
「えっ?」紙本は泣きやんだ。
「じゃあ死んで当たり前ね。」
「……えぇっ!?」オレ達は声をそろえた。
「ウチみたいな美人にはあんなゴボウみたいな男ともともと釣り合わなかったってことよ!」紙本は鼻で笑った。
(…紙本すら認めてもらえなかった向坂っていったい……)
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