年上王子のお嫁さん☆


「…あたし、彼氏がいたの。
正確には今も何だけど…

過去形にしちゃうくらい、適当な付き合いなんだけどね。」




俺にしがみつきながら、小さく話す。


ただ黙って聞くことが、唯一俺に出来ることだと思った。





「ある日、彼が浮気してるところ見ちゃって…あたし、逃げたの。

もう行方不明になってもいいと思った。そしたら、突然…

知らない人に連れ去られた……

その人が彼を呼んだのに…
『すぐに来なくちゃ、めちゃくちゃにしてやる』って、言われたのに……

やっぱり、来てくれなかったの…


予想はしてたし、浮気してたし…来てくれないって、わかってたけど…

すごく、ショックだったの…」




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